相談事例25(豊中市在住の方からのご相談)夫と離婚するにあたり、子どもの養育費の金額を取り決めたい。夫には前妻の子がいて現在も養育費を支払っているが、このことは私(妻)と夫の子の養育費の金額にどのように影響するか?
夫には前妻との間にも子どもがおり、既に養育費を支払っている状態でした。
現在の妻側は「夫婦の子どものみ」を基準とした算定表通りの金額を求めていました。
夫の収入から二世帯分の標準額を支払うと、自身の生活が破綻する恐れがありました。
相手の主張
弁護士の対応:
法律上、前妻の子も現在の妻の子も「同等の権利」を有することを説明。実務上の修正計算が必要であることを主張しました。
夫の収入を、前妻の子と現在の妻の子の「計2名」で公平に分け合うよう、標準算定方式に基づいた具体的な修正計算案を提示しました。
裁判所も、前妻の子の年齢や夫が支払っている実績を考慮。現在の妻の子のみを基準にするのは不公平であるとの見解を示しました。
支払義務者に前妻との間の子がいる場合、その子も養育費を請求する権利を持っています。そのため、実務上は全ての子どもを平等に扶養する前提で金額が計算されます。
前妻の子がいない場合と比べ、一人ひとりが受け取れる額は低くなりますが、これは支払義務者の経済的能力を子ども全員で公平に分かち合うという考え方に基づいています。
養育費は、夫婦の収入や夫婦間の子どもの人数・年齢に応じて金額が算定されるのが原則です。
ただし、養育費の支払義務者に別の家庭の子どもがいる場合には、その子も同人に対し養育費を請求できる権利を有していることになりますので、夫婦の収入や夫婦間の子どもの人数・年齢だけを考慮して養育費の金額を算定することができません。
そのため、実務上、養育費の支払義務者である夫が前妻との間の子の養育費を支払っている場合は、前妻の子も現在の妻の子と同等に扱われ、支払義務者に前妻の子を含む子ども全員を扶養する義務があることを前提に養育費の金額が算定されます。
そうすると、前妻の子がいない場合と比べて、現在の妻の子が取得できる養育費の金額は低くなります。
本件の場合も、夫が前妻の子の養育費を支払っていますので、夫婦間の子どもの人数・年齢だけでなく、養育費を支払っている前妻の子の人数・年齢も考慮して、養育費の金額が算定されることになるでしょう。

寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】