
単身赴任先での挙動不審をきっかけに調査したところ、女性と同居していることが判明。夫は自ら「どうしても離婚したい」と主張してきました。
夫が離婚原因を作った本人であるため、法的には妻側が拒否すれば長期間(7〜8年)離婚は認められません。この強い立場を条件交渉に活かしました。
金銭的には不自由されていない依頼者様は、泥沼の争いよりも「早く忘れて新しい生活を始めたい」という思いを強くお持ちでした。
当初の請求内容
弁護士の戦略:
相手方が有責配偶者である以上、こちらは離婚を急ぐ必要がありません。この「時間的猶予」を武器に、高条件を突きつけました。
相手方は「預貯金が減っている。500万しか払えない」と渋りました。法的には戦い続けることも可能ですが、Cさんの「早期解決」を最優先することに。
不動産譲渡には合意。現金についても、当初の提示より150万円上乗せした650万円で即日解決することに同意しました。
(1,700万円相当のマンション)
(相手方の提示より150万円上乗せ)
離婚原因を作った側からの離婚請求は極めて認められにくいという判例の原則(7〜8年の別居が必要)を背景に、不動産譲渡という大きな譲歩を相手方から引き出しました。
法律論で粘れば更なる増額も可能でしたが、依頼者様の「早く忘れたい」という心理的負担を重視しました。スピードと実利のバランスを考えた、ご本人にとって最善の着地点です。
単身赴任先で女性と同居していた医師の夫から熟年離婚を請求され不動産(1700万円)と650万円の財産分与を受けて離婚した事例
依頼者:主婦 吹田市在住
相手方:医師
Cさん夫婦は70代の夫婦です。
Cさんの夫は単身赴任していました。あまりに帰宅しないことと挙動不審な点があったためCさんが調査すると、夫は女性と同居していました。夫を問いただすと「どうしても離婚したい。」とのことでした。
Cさんは、夫がどうしても離婚したいと言うのであればそれは仕方ないと考え、離婚には応じることにしました。しかし、夫の不貞行為が離婚の原因です。Cさんが離婚を拒否すれば、夫は7~8年別居し続けた後でなければ、離婚をすることはできません。有責配偶者からの離婚請求は、別居後7~8年経たないと認めないというのが判例だからです。Cさんは強い立場にありました。そこでCさんは、Cさんが居住しているマンション(時価1700万円)をCさん名義にすること、財産分与として別居時の夫所有預貯金(約3000万円)の7割約2100万円を請求し、それを財産分与することを離婚の条件としました。
ところが、夫は、「別居時には3000万円あったが現在はそれほど預貯金がない。そのような高額な財産分与をすると、生活できない。不動産の他には500万円しか払えない。」と主張してきました。当方はCさんに「要望どおりの金額を払わなければ離婚に応じない。裁判離婚できる7~8年後まで婚姻費用もらい続ける。」と主張して、相手の要求を拒否しましょうとアドバイスしました。
しかしCさんは、ご両親の遺産を相続しておられ、金銭的に不自由されていませんでした。また、早期に解決して忘れたいと考えておられ、500万円に少し上積みさせて離婚を成立させたいとのことでした。
そのため早期解決を優先し、不動産と650万円を財産分与させることで協議離婚を成立させました。

寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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