
夫から合計440万円の財産分与・解決金を取得する内容で調停離婚した事例
些細なことで激昂する夫の言動に耐えられなくなり、精神的に追い詰められていました。
度々離婚を求めたものの、夫は全く取り合わず、話し合いが進展しない状態でした。
自宅を出て別居を開始。関係修復は不可能と考え、法的手段による解決を望まれました。
相手の主張
弁護士の懸念・対応: 当事者間や任意の交渉では解決不可能と判断。速やかに調停手続へ移行し、第三者を入れた形での解決を目指す方針としました。
「調停不成立でも離婚訴訟になるだけで、復縁の可能性はない」と強く説得。並行して月5万円の婚姻費用支払いを合意させました。
当初は離婚に消極的でしたが、やり直しがないことを悟り、徐々に離婚条件の協議に応じる姿勢へと変化しました。
協議を拒否する相手に対し、調停委員を通じて「訴訟になれば復縁はあり得ない」という現実を突きつけ、離婚協議のテーブルに着かせることに成功しました。
財産資料開示による長期化を避けるため、依頼者の「早く離婚したい」という意向を汲み、持出金の追認と手頃な解決金を条件とする提案でスピード解決を実現しました。
依頼者 妻
夫 55歳 会社員 大阪府枚方市在住
妻 47歳 会社員 大阪府枚方市在住
離婚原因 精神的虐待、性格の不一致
きっかけ 夫が離婚に応じてくれない
財産 預貯金、生命保険、退職金
子ども なし
Aさんは、些細なことで激昂する夫Bの言動に耐えられなくなり、夫Bに度々離婚を求めていました。
しかし、夫Bはなかなか離婚に応じてくれませんでした。
そのため、Aさんは自宅を出て夫Bと別居を開始し、夫Bとの離婚協議を当方に依頼されました。
弁護士は、夫Bに対し、離婚協議や別居中の婚姻費用の支払を求めましたが、夫Bは全く協議に応じようとしませんでした。
そこで、弁護士は、離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立て、調停委員を通じて離婚と婚姻費用の支払に応じるよう夫Bの説得を続けました。
その結果、夫Bは婚姻費用の支払に応じる意向を示し、月5万円を夫BからAさんに支払う内容で婚姻費用分担調停が成立しました。
また、調停当初、夫Bは離婚について消極的な姿勢を示していましたが、弁護士が「調停が不成立になったとしても、離婚訴訟を提起することになるので、Aさんが夫Bとやり直しに向けた協議をすることはない。」などと説明し、夫Bとの協議を続けた結果、夫Bは離婚条件の協議に応じる意向を示しました。
ただ、その時点で、夫Bは「財産資料の収集等に更に時間がかかる」等と説明していたため、夫Bに財産資料の収集・開示をさせるだけでも更に数か月かかると考えられました。
また、Aさんは夫婦で積み立てていた夫B名義の預金口座から、別居前に残高の半分(340万円)を引き出して取得していましたので、夫Bに全ての財産資料を開示させた上で正確な財産分与額を算定したとしても、それほど高額な財産分与を得られるわけではないと考えられました。
加えて、Aさんは「夫Bから得られる財産分与額が多少減ったとしても、早く離婚したい」という意向を有していました。
そこで、弁護士は、Aさんと相談の上、「早期に調停が成立し、かつ、解決金として100万円を夫BがAさんに支払うのであれば、夫Bが財産資料を開示しなくても、それ以上の財産分与は求めない。」と夫Bに提案しました。
すると、夫Bもこの提案を受け入れたため、最終的に「別居前にAさんが引き出した340万円とは別に、夫BがAさんに解決金100万円を支払う(合計440万円をAさんが取得する)」という内容で、調停離婚を成立させました。

寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
【アクセスマップ】