60代の離婚
60代になってから離婚を意識する方は少なくありません。
子どもが独立した後の人生を、自己本位な相手配偶者と過ごすより、一人で平穏に過ごしたいと考える人が増えています。
60代になってから離婚を考える場合、既に子どもが独立して社会人になっているケースが多いので、子どものことよりも、離婚後に自分が十分生活していけるだけの収入や財産を得られるかどうかを心配される方が多いです。
そのため、60代の離婚では、財産分与で得られる財産や年金分割によって増える(又は減る)年金額の見込等を正確に計算し、離婚後の生活設計を検討しておくことが最も重要です。
ただ、財産分与で得られる財産は、婚姻期間が長くなればなるほど財産の種類が増え、夫婦共有財産と特有財産(相手方と分ける必要のない財産)の峻別や財産の評価の仕方が複雑になるケースが多いです。
正確な財産分与の見込額を知るためには、専門的な知見が必要になることも多いですので、弁護士への相談をお勧めします。
60代の離婚は、離婚に伴い得られる財産も高額になることが多く、これが原因で離婚協議が紛糾することも少なくありません。
場合によっては、離婚訴訟まで必要となるケースもあり、離婚協議開始から離婚成立まで3年以上かかることもあります。
そのため、離婚後だけでなく離婚成立まで時間がかかることを想定した準備(別居先の準備、別居~離婚までの生活費の確保等)も行っておく必要があります。
なお、他方配偶者名義の財産等、別居前(離婚を切り出す前)に調査しておいた方がいいと考えられるものもありますので、別居前に一度弁護士に相談しておいた方がいいでしょう。別居後は調査ができなくなります。当事務所では、別居前に調査すべき財産のリストを作成しています。
前述したとおり、60代の離婚では、財産分与等を巡って離婚協議が紛糾することも多く、相手方から理不尽な離婚条件を要求されることもあります。
そのような相手方に対しては、裁判実務の考え方を踏まえた毅然とした交渉を行っていくことが重要です。安易に相手方の要求を受け入れてしまうと、更に不利な条件を押し付けられたりして、収拾がつかなくなることもあります。
相手方と毅然とした交渉を行うためには、その前提として、①法律上妥当な条件が何なのか、②相手方の要求している内容は法律上認められる可能性のあるものなのかといった専門的知識が必要になります。
弁護士に依頼すれば、法律に関する専門的知識を有した弁護士が相手方と交渉を行うことになりますので、相手方と毅然とした交渉を行うことが可能になります。また、ご本人が相手方と交渉する必要はなくなりますので、精神的負担も少なくなります。
そのため、裁判実務の考え方を踏まえた毅然とした交渉をご自身で行うのが難しい場合は、弁護士への依頼を検討された方がいいでしょう。
60代で離婚をお考えの方は、一度当事務所までご相談ください。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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