
離婚訴訟で妻への財産分与額を低く算定しようとする夫に反論し、夫から1080万円を取得して離婚した事例
依頼者 妻
夫 48歳 自営業 大阪府豊中市在住
妻 44歳 会社員 大阪府豊中市在住
離婚原因 性格の不一致、長期の別居
きっかけ 別居期間が5年以上経過した
財産 不動産・預貯金・生命保険・子どもの預貯金
子ども 2人
Aさんは、性格の不一致などが理由で5年以上前から夫Bと別居しており、別居直後に離婚調停も行っていましたが、夫が離婚を拒否したため、同調停は不成立で終了していました。
それ以降も別居が継続し、別居期間が5年以上経過したため、Aさんは、離婚訴訟を提起することを決意し、当方に依頼されました。
弁護士が離婚訴訟を提起すると、夫Bにも弁護士が就き、別居期間の長さ等から夫Bも離婚を争うのを早々に断念したため、訴訟手続きでは、財産分与と養育費が争点となりました。
財産分与に関しては、当初、夫Bは生命保険の一部を開示した上で、「他に生命保険はない」等と説明していましたが、Aさんは、夫B名義の生命保険を全て把握していたため、弁護士が「あくまで夫Bが他の生命保険がないと主張するのであれば、調査嘱託を申し立て、直接保険会社に照会する」と主張したところ、夫Bは残りの生命保険も開示してきました。
その上で、夫Bは「別居時の財産の中には、結婚前の預貯金や親族からの贈与が含まれており、これらは夫Bの特有財産であるから、財産分与の対象ではない。」「夫B名義よりもAさん名義の夫婦共有財産の方が多い。」等と主張してきました。
しかし、夫Bが特有財産の証拠として提出した資料を弁護士が精査したところ、到底判決で特有財産と認められるような証明力を持った証拠ではありませんでした。
また、Aさんは、Aさんの結婚前の預貯金のうち、200万円程度を生命保険の支払に充てていたと記憶していましたが、弁護士が当時のAさんや夫Bの預貯金通帳の内容を精査したところ、Aさんの結婚前の預貯金は保険ではなく不動産の購入に充てられており、それ以外にもAさんの両親からの贈与金が不動産の購入に充てられていることが分かりました。
そこで、弁護士は、「夫Bの立証は不十分であり、夫Bの特有財産の主張は認められない。」「不動産の購入資金の中には500万円程度のAさんの特有財産が含まれている。」等と主張立証していきました。
その結果、裁判官も上記弁護士主張を認め、それを前提に、「夫BからAさんに解決金1080万円を支払う」という和解案が提示され、最終的にAさんも夫Bもこの内容に同意しました。
養育費に関しては、夫Bは別居後に会社員から自営業に転職しており、「自営業になってから収入が下がった」等と主張して、年間所得約216万円の確定申告書を提出してきました。
弁護士がその内容を精査したところ、確定申告書の内容におかしな点が複数あったため、夫Bが売上を低く申告し、事業経費も水増ししている可能性が高いと考えられました。
そこで、弁護士は、夫Bに対し、追加の資料の開示や説明を求めました。
当初、夫Bは「夫Bの収入は確定申告書どおりであり、追加の資料提出は必要ない」等と主張していましたが、裁判官からも追加資料の提出を求められると、ようやく追加資料を開示してきました。
その結果、弁護士の予想どおり、夫Bが提出した確定申告書は、大幅に経費が水増しされており、売上も11か月分しか計上されていないことが分かりました。
そこで、弁護士は、上記の点を具体的に指摘した上で、「夫Bの年間所得は約320万円であり、養育費は月5万円が相当である。」と主張し、夫Bにこれを認めさせました。
そのため、最終的に、「夫Bが解決金1080万円及び養育費月額5万円をAさんに支払う」という内容で離婚が成立しました。

寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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