相談事例10(豊中市在住の方からのご相談)結婚後、夫は会社員(厚生年金に加入)として勤務していたが、私(妻)はずっと専業主婦だった。夫と離婚する場合、私(妻)が将来取得できる年金額を増やす方法はあるか?
離婚時に当事者間で年金を分割することができる制度として年金分割制度があります。
日本の年金制度は、
全ての国民が加入する国民年金(1階部分)、
サラリーマンや公務員が加入する厚生年金や共済年金といった被用者年金(2階部分)
及び企業年金などの私的年金(3階部分)の3階建ての構造になっていますが、
年金分割制度の対象となる年金は被用者年金(2階部分)のみです。
夫が厚生年金に加入している場合、年金分割の手続きにより、当事者間の婚姻期間中の保険料納付記録(厚生年金について、報酬比例部分の年金の給付額の算定基礎となるもので、それまで支払ってきた年金保険料の算定基礎となった標準報酬のこと)が分割されることになります。
そのため、分割を受けた側(将来取得できる年金額が少ない側)は、
自身の標準報酬に相手から分割された分が加算されますので、将来取得できる年金の金額が増加することになります。
本件の場合、夫は会社員(厚生年金に加入)であり、あなた(妻)は結婚後ずっと専業主婦ということですので、年金分割の手続きを行った場合、あなた(妻)の方が分割を受ける側になると考えられます。
そのため、年金分割の手続きを行えば、あなた(妻)の将来取得できる年金額が増加するでしょう。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
問題を解決する方法は一つしかありません。それは行動を起こすことです。1人で悩んでいても、同じ考えが頭の中をぐるぐるするだけで、何の解決にもなりません。思い切って専門家にご相談ください。
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